TOEIC Part7|読めるのに解けないのは「偽スラッシュリーディング」のせいだった

この記事でわかること
  • 「読めてるのに解けない」の正体が見えるミス再現
  • 2つの実例に共通する、たった1つの読み方のクセ
  • 本番で構造分析をしなくていい「右を疑う」ルール

対象:Part5/7で「意味はわかるのに選べない」が続いている人
対象外:語彙や文法知識が足りない人(→ まず文法の地図を作るのが先です)

単語はわかる。文法も見える。

なのに、選べない。

今日の模試で、またそれが出た。
625点。Part5は30問中21問正解。
でもこの2問は、知識の問題じゃなかった。

目次

「読めてるのに解けない」の正体は、読み方が1つ足りないこと

今日、2時間の模試を解いた。
スコアは625点。Part5は30問中21問正解。

9問落ちた。
そのうち7問は、知識不足だった。知らない表現。曖昧な文法。
それは仕方ない。

でも残りの2問が引っかかった。

単語は全部わかった。
文法も見えてた。
それなのに間違えた。

「意味はわかるのに選べない」。
この感覚、Part5を解いてると定期的にくる。

復習で2問を並べてみた。
間違え方が、同じだった。

どちらも、英文を読む途中で、切る場所がズレていた
知識じゃなくて、読み方のクセだった。

知らなかったものは勉強すればいい。
でもこっちは、知ってるのにズレる。
気づかないと、何回解いても同じところで落ちる。

実際の問題で「頭の中」を再現する

2つのミスを、解いてるときの頭の中ごと再現します。
どこでズレたかを見てください。

ミス例1 ── stepsの直後でto makeの主語を取り違えた

問題文はこうだった。

management agreed to take steps to make our gallery more —136— to overseas visitors

僕の頭の中はこうだった。

management agreed to take steps。
ここまではいい。「経営陣がステップを取ることに同意した」。

次に来たのが to make。
stepsの直後だった。

「ステップが、ギャラリーをもっと—にする」。
そう読んだ。stepsがmakeの主語だと思った。

でも違った。

to makeはstepsの中身を説明する不定詞だった。
「どんなステップか」を右側で説明している。
主語は最初から最後までmanagement。

つまりこういう構造。

僕の誤読:

management agreed to take steps / to make our gallery …
 → stepsが主語、makeが動詞に見えた

正しい読み:

management agreed to take steps to make our gallery …
 → steps to make = 「〜するためのステップ」。主語はmanagement

stepsの直後にto makeが来たから、そこで文を切った。
「主語→動詞」に見えた。

実際は、stepsの説明がまだ右に続いていた。
切るのが早かった。

にっしー

stepsの後にto makeが来たら、stepsが主語に見えない?
なんで「ステップが作る」じゃないの?

チャッピー

そこがポイント。stepsって「やること」の入れ物なんだよね。
入れ物だから、自分では動けない。

にっしー

入れ物?

チャッピー

うん。stepsだけだと「何のステップ?」って中身が空でしょ。
to makeはその中身を開いてるんだ。
「どんなステップ?→ギャラリーをもっと〜にするための」。

にっしー

あー、「〜するためのステップ」か。
でもさ、見分ける方法あるの?

チャッピー

「toの前の名詞は自分で動けるか?」って考えてみて。
stepsは動けない。だからto makeは「中身の説明」。
もしhe agreed / to makeだったら、heは動ける。だから「彼が作る」になる。
動けるか動けないか。それだけ。

ミス例2 ── 修飾句の塊を途中で切った

もう1問。

This is to compensate for the lack of dining establishments in the immediate vicinity of our offices.

読んでいるときの頭の中。

the lack of dining establishments。
「飲食店の欠如」。ここまではわかった。

次に in the immediate vicinity of our offices。
「オフィスのすぐ近くに」。

僕はこの2つを別々の情報として読んだ。
「飲食店がない」「オフィスの近くに」。
なんとなく意味は通る。でもぼんやりしている。

正しくは1つの塊だった。

僕の誤読:

the lack of dining establishments / in the immediate vicinity of our offices
 → 2つの情報に切った

正しい読み:

the lack of dining establishments in the immediate vicinity of our offices
 → 「オフィスのすぐ近くの飲食店」がないこと。1つの塊

in the immediate vicinityは、dining establishmentsにかかっている。
「どこの飲食店か」を右に伸ばして説明している。

僕はestablishmentsのところで切った。
そこから先は別の話だと思った。

でも英文はまだ続いていた。
右に伸びる説明を、途中でちぎってしまった。

にっしー

establishmentsの後で切っちゃうんだけど。
なんでそこで切っちゃダメなの?

チャッピー

日本語で考えてみよう。
「オフィスの近くの飲食店」。
説明が先に来て、最後に「飲食店」が来るでしょ。

にっしー

うん。名詞で終わる。

チャッピー

英語は逆なんだよね。
dining establishments in the immediate vicinity of our offices。
名詞が先に来て、「どこの?」が後ろにくっつく。

にっしー

あー、だから名詞が出た瞬間に終わった気がするのか。
日本語の感覚で読んでるから。

チャッピー

そういうこと。切っちゃダメというより、「まだ続いてるかも」って疑う感覚が要るんだよね。
名詞が出ても、右にinとかofとかが見えたら、まだ説明が伸びてる途中かもしれない。

2つのミスの正体──偽スラッシュリーディング

2つの問題を並べてみる。

1問目。stepsの直後で切って、to makeを新しい文の始まりだと思った。
2問目。establishmentsの後で切って、in the immediate vicinityを別の情報にした。

やっていることが同じだった。
右に伸びる修飾を、手前で切っている

スラッシュリーディングという読み方がある。
英文を意味のかたまりで区切って読む技術。
TOEIC対策でもよく出てくる。正しい方法です。

ただ、切る場所を間違えると逆効果になる。
正しい塊を壊してしまう。

僕はこれを「偽スラッシュリーディング」と呼ぶことにした。

英語は右へ右へ説明が伸びる言語です。
steps to make …、dining establishments in the immediate vicinity of …。
名詞の後ろに、どんどん情報が追加されていく。

日本語は逆。
「オフィスのすぐ近くの飲食店」。
説明が左から来て、最後に名詞がくる。

僕たちの頭は日本語の語順に慣れている。
だから名詞が出た瞬間に「ここで終わり」と感じる。
でも英語は、名詞の後ろにまだ説明が続いている。

知識が足りないんじゃない。
日本語の語順が、英語の右方向への伸びを早く切らせている

これに気づいたとき、2つのミスが1つに見えた。
単語を知らなかったわけでも、文法を間違えたわけでもない。
切る場所が、1つズレていただけだった。

本番で使える「右を疑う」だけのルール

「じゃあ本番で毎回、構造分析するの?」
しなくていいです。

やることは1つだけ。

切りたくなったところで、もう1語だけ右を見る

stepsで切りたくなった。
でも右を見たら to make がある。
「ステップの中身かもしれない」。それだけ考える。

establishmentsで切りたくなった。
でも右を見たら in the immediate vicinity がある。
「どこの飲食店かの説明かもしれない」。それだけ考える。

判断基準は「意味が通るかどうか」の1点です。
文法用語はいらない。
右の語を含めて読んでみて、意味が通るなら、そこは切らない。

「でもさ、本番で冷静にそれができるの?」
と思うかもしれない。

正直に言います。
最初はできない。

今日の僕も、本番中はできなかった。
復習で気づいた。

ただ、「右を見る」と決めておくだけで変わることがある。
迷ったときに手が止まる。
止まった瞬間に、1語だけ右を見る。
それで拾える問題がある。

完璧にできなくていい。
10回に1回、「あ、右に続いてた」と気づければいい。
その1回が、Part5の1問を拾う。

復習で「貯金」する──構造を見抜く目は本番の外で育てる

本番は泥臭い場所です。
時間がない。焦る。消去法でもなんでも、とにかく正解を拾う。

構造をじっくり見るのは、本番の仕事じゃない。
復習の仕事です。

僕は今日、模試の後に2問を並べた。
「どっちも右を切ってた」と気づいた。
それが「偽スラッシュリーディング」という名前になった。

名前がつくと、次に同じパターンが来たときに見える。
「あ、これ偽スラッシュだ」。
そう思える回数が増えるほど、本番で拾える問題が増える。

この記事を読んでいるあなたは、今まさにそれをやっています。
本番の外で、構造を見る目を作っている。
それは貯金です。

本番で頑張るんじゃない。
復習で貯金して、本番では貯金を使う。

貯金のやり方は、もう少し細かく書きたいことがある。
でもこの記事では「偽スラッシュ」に名前をつけるところまで。

まずはこれだけ持って帰ってください。
切りたくなったら、もう1語だけ右を見る

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