TOEIC二択まで絞れるのに外す人の勘違い|判断基準を決めてない
二択まで絞れる。
Aも意味は通る。Bも否定しきれない。
時間だけが減っていって、最後は「今回はこっちかな」でマークする。
外す。
解説を読むと、「あ、そういうことか」「これ、知ってたやつだ」。
なのに次の問題でも、また同じところで止まる。
もしこれが何度も起きているなら、それは英語力が足りないからじゃない。
この記事でわかること
- 二択で止まる人が毎回やっている思考パターン
- 「あと一歩」だと思っていた場所が、実は入口だった理由
- 知識を足しても二択が直らない本当の原因
- 「判断基準を決める」とは何をすることか
TOEIC二択まで来た時点で、文はもう読めている
まず、ここをはっきりさせておく。
二択まで絞れているということは、
- 文の意味はだいたい取れている
- 選択肢の違いにも気づいている
- 何が問われているかも、ぼんやり見えている
これは「分からなくて勘で選んでいる状態」とはまったく別。
だから「単語が足りないのかな」「文法が弱いのかも」と感じるのは、少しズレている。
問題はそこじゃない。
TOEIC二択で止まる人が、毎回やっていること
二択で迷う人の解き方を、そのまま書くとこうなる。
「Aも意味は通る」
「Bも完全には否定できない」
「前に似た問題を見た気がする」
「でも今回は違うかも」
「時間がない」
「どっちかにしないと」
ここまで考えている。だから本人は、「ちゃんと考えている」と思っている。
でも、この間に判断に使える情報は一つも増えていない。
同じ材料を見たまま、視点だけを行ったり来たりしている状態だ。
TOEIC文法を足しても、二択は直らない
ここで多くの人は、
- whichを復習する
- thatとの違いを整理する
- 分詞をやり直す
そうやって、知識を足そうとする。
もちろん、それが必要な段階の人もいる。
でも、
- 解説を読めば理解できる
- ルール自体は知っている
- 問題集も一度は回している
それでも二択で止まる人は、知識の量が原因ではない。
僕もPart5で66%取れるようになった後も、二択で外すことがあった。1問43秒かけて、「これは分かる」と思って選んで、間違える。解説を見ると、確かに知ってるルールだった。
(参考:Part5の全体像と品詞問題の位置付け)
TOEIC二択まで来た瞬間、頭の中で起きていること
リスニング問題で、
会話の中に
add a few more points
という表現が出てきた。
僕はそのとき、
「何かを足す話なんだな」
とは思った。
ただ、
どんな場面で、
何を足す話なのかまでは、
頭の中でちゃんと浮かんでいなかった。
だから選択肢を見ると、
どれも
「たしかに、そんな話だったかもしれない」
ように見えた。
近そうなものを比べているつもりで、
実際には、
会話の内容をはっきり思い出せていないまま
選ぼうとしていた。
ここで一度、自分の解き方を思い出してほしい。
二択まで絞れたとき、多くの人は無意識にこう思っている。
「よし、ここまで来た」
「あとはどっちを選ぶかだ」
この瞬間、もうここまで考えた気になっている。
ここが、多くの人が気づいていない勘違い。
これは気持ちの問題じゃない
これは集中力やメンタルの話ではない。手順の問題だ。
二択まで絞れた段階では、本来まだ確認すべきことが残っている。
- どの条件が満たされたらAになるのか
- どの条件が一つでも欠けたらBを切れるのか
- どこを見れば即断できたのか
これらが一つも確定していないまま、「どっちか」を選ぼうとしている。
だから迷う。
TOEIC二択で迷っているのではなく、まだ決めていない
二択で止まっているとき、多くの人はこう思う。
「判断が難しい」
「どっちもありそう」
でも正確に言うと、判断が難しいのではない。
判断に使う基準を、まだ決めていない。
その状態でいくら考えても、結論には近づかない。
僕もこれに気づくまで、同じ場所で何度も止まっていた。品詞問題で-lyを見たら「副詞でしょ」って即決して、friendlyで死んだ。語尾判断という「基準」は持っていたけど、「文構造で確認する」という次の基準を決めていなかった。
(参考:品詞問題の解き方と語尾判断の落とし穴)
TOEIC二択の「あと一歩」は、実は入口だった
二択まで来た=ゴールが近い、と思っていた。
でも実際には、
二択まで来た時点で、ようやく「何を根拠に決めるか」を確定させる入口に立っただけ。
そこを通らずに、いきなり答えを選ぼうとしていた。
だから毎回、同じ場所で止まる。
僕もずっと、二択まで来た=あと一歩だと思っていた。でも振り返ると、その時点で何も決めていなかった。
具体例:whichとthatの二択
例えばこんな問題。
「The report _____ was submitted yesterday contains errors.」
- (A) which
- (B) that
二択まで絞れる。どっちも関係代名詞。どっちも意味は通る。
ここで「whichとthatの違い」を思い出そうとする。でも思い出せない。時間だけが過ぎる。
この状態で考えているのは、「どっちが正解か」ではなく、「どっちを選ぶか」だけ。
本来確認すべきだったのは、
- カンマがあるか(制限用法か非制限用法か)
- 先行詞は人か物か
- 省略可能かどうか
この3つを確認すれば、whichとthatの使い分けは即決できる。でも二択で止まる人は、この確認をスキップして、「感覚」で選ぼうとしている。
TOEIC二択を脱出する方法|判断基準を先に決める
じゃあ、どうすればいいのか。
二択まで来たとき、「どっちを選ぶか」ではなく、「何を確認すれば決まるか」を先に決める。
手順の違い
二択で止まる人:
- 二択まで絞る
- 「どっちかな」と考える
- 時間が過ぎる
- 「今回はこっち」で選ぶ
二択を抜ける人:
- 二択まで絞る
- 「何を見れば決まるか」を確認
- その条件を確認
- 即決
違いは、「判断基準を決めてから確認する」か、「確認せずに選ぶか」だけ。
TOEIC二択の実例|僕が止まっていた場所
僕がPart5で二択で止まっていたのは、主にこの3パターンだった。
パターン1:品詞問題で-lyに迷う
friendly、costly、lonely。
全部-ly。でも全部形容詞。
「-lyだから副詞」という基準は持っていた。でも「be動詞+veryの後ろは形容詞」という確認基準を決めていなかった。だから毎回止まった。
パターン2:冠詞+空欄+名詞で迷う
「The _____ manager approved the budget.」
- (A) finance(名詞)
- (B) financial(形容詞)
「冠詞の後ろは名詞」という基準は持っていた。でも「空欄の後ろにもう1つ名詞があるか」を確認していなかった。だから(A)を選んで外した。
パターン3:be動詞の後ろで迷う
「The results were _____ different from what we expected.」
- (A) significant(形容詞)
- (B) significantly(副詞)
「be動詞の後ろは形容詞」という基準は持っていた。でも「be動詞+副詞+形容詞」というパターンを確認していなかった。だから(A)を選んで外した。
全部、「基準は持っていたけど、確認する手順を決めていなかった」パターンだった。
TOEIC二択を抜けた瞬間|確認の習慣がついた日
僕が二択を抜けたのは、11月7日だった。
Part5の正答率が62%まで上がった日。1問あたりの時間も2分36秒まで短縮できた。
(参考:TOEICスコア推移記録)
この日、何が変わったのか。
「二択まで来たら、確認項目を3つ決めてから見る」という習慣がついた。
確認項目の例
品詞問題の場合:
- 語尾を見る(-ly、-tion、-ful)
- 空欄の前後を見る(be動詞+very、冠詞+空欄+名詞)
- 文全体の構造を見る(be動詞+副詞+形容詞)
この3つを確認すれば、ほぼ即決できる。
関係代名詞の場合:
- カンマがあるか
- 先行詞は人か物か
- 省略可能か
この3つを確認すれば、whichとthatの使い分けは即決できる。
確認項目を先に決めてから見る。これだけで、二択で止まる時間が半分以下になった。
TOEIC二択で止まるのは、悪い兆候じゃない
最後に。
二択で迷うのは、
- 英語力が低いからでも
- センスがないからでもない
むしろ、文がある程度読めている人ほど起きやすい状態だ。
ただ一つだけ、認識がズレている。
「ここまで来た」という感覚と、「判断に必要な確認が終わっているか」は、まったく別。
もし今、二択まで絞れるのに外すことが続いているなら。
あなたは止まっているわけじゃない。まだ、選ぶ前の準備を終えていなかっただけだ。
今日中にやること
- 手元の問題集から二択で迷った問題を3つ抜き出す(5分)
- その3問について「何を確認すれば決まったか」を書き出す(10分)
- 次に同じパターンが来たときの確認項目を3つ決める(5分)
この3つをやるだけで、二択で止まる時間が半分になる。
状況別の次の記事
二択の確認項目を決めたい人へ
時間配分で悩んでいる人へ
Part5全体の戦略を知りたい人へ
まとめ
二択まで絞れるのに外す。これは英語力の問題じゃない。
- 二択まで来た時点で、文はもう読めている
- でも「判断基準を決める」工程をスキップしている
- 二択まで来た=入口、という認識の転換が必要
- 確認項目を先に決めてから見る習慣で、止まる時間が半分になる
僕もPart5で62%取れるようになるまで、同じ場所で止まっていた。でも「確認項目を3つ決めてから見る」という習慣がついた日、二択で止まる時間が半分以下になった。
二択で止まるのは、悪い兆候じゃない。むしろ、文がある程度読めている証拠だ。
あと一歩じゃなくて、入口。その認識が変わるだけで、次のステージに進める。
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