300点台から抜け出せたのは、学習の順番を揃えたことだった。この記事では、その順番を地図として5ステップにまとめる。
300→600点ロードマップ|最短で抜ける5つのステップ
スタート地点:なぜ300点台は伸びないのか
300点台が伸びない原因は3つある。
1. やる順番が逆
単語帳から始めると、文法の型がないまま例文を暗記することになる。意味を覚えても、使える形にならない。
2. 時間配分の設計がない
Part5に20分以上使うと、Part7が手つかずになる。でも、Part5のどの問題を捨てるべきかの判断基準がない。
3. 復習の型がない
間違えた問題を「もう一度解く」だけでは、同じミスを繰り返す。ミスの原因を構造で潰す方法が必要。
この3つが揃っていないと、何時間勉強しても点数が動かない。
初めてTOEICを受ける、または前回から時間が空いていて形式に不安がある人は、最初に模試を1回だけ解いておくと、自分のつまずきやすい部分が明確になります。
→ 詳細は 初受験前に模試1回やるだけで50点変わる理由 を参照
300点台のつまずきは「勘違いした順番」が原因。逆に、600点までは順番を揃えるだけで伸びる。
600点までの全体マップ:伸びる順番はたったこれだけ
600点までの道筋は、5ステップで構成される。
| ステップ | 内容 | 期間 | 目的 |
|---|---|---|---|
| Step1 | 文法の地図をつくる | 15日 | Part5の判断速度を上げる土台 |
| Step2 | Part5で時間をつくる | 継続 | 20秒ルールでPart7に時間を残す |
| Step3 | Part3の準備を整える | 継続 | 3つのルールで聞く前の位置取りを作る |
| Step4 | 復習で点数を安定させる | 継続 | 間違いを記録→分析→修正 |
| Step5 | ミスの原因を構造で潰す | 継続 | 同じミスを繰り返さない仕組み |
重要なのは、Step1→Step2→Step3の順番を守ること。
文法が先、Part5が次、Part3の準備がその次。この順番で進めば、迷わない。
Step1:文法の地図をつくる(15日)
文法の地図とは、「どこに何があるか」がわかる状態のこと。完璧に理解する必要はない。
やること
- 『世界一わかりやすいTOEICテストの英文法』を15日で1周する
- 1日1章ペース(得意な章は30分、苦手な章は1時間)
- わからない箇所は飛ばして、全体を先に終わらせる
なぜ文法が最初か
Part5の品詞問題は、文法の型がわかれば10秒で解ける。単語の意味を知らなくても、語尾と構造だけで判断できる。
文法の地図ができると、Part5の正答率が4割→7割に上がる。この土台がないと、単語帳の例文が「暗記」で終わる。
具体的な進め方
- 1周目:全体を流す(理解度30%で十分)
- 2周目(余裕があれば):印をつけた箇所を重点的に
- わからない箇所はChatGPTに質問
→ 詳細は 世界一わかりやすいTOEIC英文法を15日で完走した記録 を参照
Step2:Part5で点数と時間をつくる(20秒ルール)
Part5は30問、目標は10分。でも、全問を同じように解こうとすると時間が足りない。
優先順位
- 品詞問題(7-8問):10秒で解く(語尾判断)
- 文法問題(13-14問):15秒で解く(わかる問題だけ)
- 語彙問題(9-10問):20秒で解く(知らない単語は捨てる)
品詞問題は、意味がわからなくても解ける唯一の問題タイプ。語尾(-ly、-tion、-ful)を見れば品詞が判断できる。
20秒ルールの現実
理想は1問20秒だが、最初は43秒かかっても問題ない。大切なのは、「確実に取れる問題を見極める」こと。
品詞問題を10秒で解けば、語彙問題と文法問題に時間を残せる。Part7に時間を残すことが、600点到達の鍵。
→ 詳細は以下の記事を参照
Step3:Part3は”3つのルール”だけ守れば伸びる
Part3は「語彙量」ではなく、「聞く前の位置取り」で決まる。
Part3で詰まる原因は、語彙不足ではない。聞き始める前に「何を追うか」が決まっていないため、情報を全部取りに行って途中から処理が崩れる。
3つのルール
1. 全部聞こうとしない
- 音声が始まる前に、選択肢から「何について話すか」を特定する
- シチュエーション(仕事/日常)、トピック(配送/イベント/トラブル対応)を2秒で判断
2. but後半だけ拾う
- 会話の途中で「でも」「実は」と方向転換が起きる
- 転換のサイン(But / Actually / Sorry)の後ろに答えがある
3. why / what / next の目的だけ追う
- 誰が:話者の立場
- 何を:問題/予定/依頼
- 次は:これからすること
音声が始まる前に、立場/目的/次の行動のいずれか一つを”追うポイント”として決める。これだけで途中から聞けなくなる現象が大きく減る。
外部メモやチェックリストは不要。必要なのは、聞く前の3秒で”頭の位置取り”を整えること。
→ 詳細は Part3が聞けない本当の理由|語彙じゃない、聞く前の準備だった を参照
Step4:復習で点数を安定させる
復習は「もう一度解く」ではなく、「ミスの原因を記録→分析→修正」の繰り返しを回す。
復習の3ステップ
- 記録:間違えた問題の番号と選んだ選択肢を記録
- 分析:なぜ間違えたかを3つに分類
- 知識不足(単語/文法を知らなかった)
- 判断ミス(時間がなくて焦った/読み飛ばした)
- 理解不足(意味はわかったが構造を見抜けなかった)
- 修正:次に同じミスをしないための対策を1つ決める
記録の具体例
| 問題番号 | ミス分類 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|---|
| Part5-12 | 判断ミス | 語尾を見ずに意味で選んだ | 品詞問題は語尾を先に見る |
| Part3-71 | 理解不足 | 聞く前に追うポイントを決めなかった | 音声前に立場/目的/次のいずれかを決める |
| Part7-152 | 知識不足 | postponeの意味を知らなかった | 金フレで復習 |
この繰り返しを回すと、同じミスを繰り返さなくなる。
Step5:ミスの原因を構造で潰す
ミスには「型」がある。個別の問題を1つずつ復習するより、ミスの型を潰す方が効率的。
よくあるミスの型
1. Part5で時間を使いすぎる
- 原因:語彙問題を全部読んでいる
- 対策:3秒見てわからなければ捨てる
2. Part3で途中から聞けなくなる
- 原因:聞く前に「何を追うか」が決まっていない
- 対策:音声前に立場/目的/次のいずれか一つを決める
3. Part7で時間切れ
- 原因:Part5/6で時間を使いすぎている
- 対策:Part5を10分以内に切り上げる
ミスの型を見つけたら、その対策を1つだけ決めて、次の模試で試す。一度に全部を直そうとしない。
→ 詳細は TOEIC初心者がまずやる3ステップ|判断に疲れない学習設計の作り方 を参照
まとめ:構造が揃えば点数は勝手に上がる
300点台から600点までは、才能や語彙力の問題ではない。順番を揃えるだけで到達できる。
5ステップの要約
| ステップ | やること | 目的 |
|---|---|---|
| Step1 | 文法の地図をつくる(15日) | Part5の土台を作る |
| Step2 | Part5で時間をつくる | 品詞問題10秒、捨て問を作る |
| Step3 | Part3の準備を整える | 聞く前の位置取り、3つのルール |
| Step4 | 復習で点数を安定させる | 記録→分析→修正の繰り返し |
| Step5 | ミスの型を潰す | 同じミスを繰り返さない |
模試で現在地を定期的に確認し、ミスの型を特定して調整する。この順番で進めれば、判断に迷わない。
次に読むべき記事:
文法の地図をつくる → Part5の全体像 → Part3の準備
この順番で進めば、最短で600点に到達できます。
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