この記事の結論
670点を取った翌日から、毎日ミニテストを続けた。11日目、1時間模試を解いた。結果:405点。Part3の正答率は27%。「量」で押し切ろうとした僕が、疲労で崩壊した記録。
「毎日やれば伸びる」──そう信じていた。でも600点中盤から必要だったのは「量」じゃなく「質」だった。
TOEIC連続11日目の崩壊|680点→405点で気づいた量から質への転換
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この記事で使う用語
TOEIC初心者の方へ:この記事でよく出てくる用語を先に説明します
- ミニテスト:TOEICの一部セクション(Part3だけなど)を練習するテスト。15-30分で終わる
- 1時間模試:本番は2時間200問だが、これは1時間約100問の練習版
- キクタン600/900:単語学習アプリ。600=TOEIC600点レベル、900=900点レベルの単語
- Abceed:TOEIC対策用のスマホアプリ。問題演習や模試ができる
- Part1-7:TOEICは7つのパートに分かれている。Part1-4がリスニング、Part5-7がリーディング
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TOEIC 680点で「もっと上を目指したい」と思った日
11/4、採点ボタンを押した。
670点。
「やった」
これまでの最高記録だった。
「700点いける」
そう思った。
その日、決めた。
「毎日ミニテストをやる」
「キクタンを900に上げる」
「休まず続ける」
量を増やせば、伸びる。
そう信じていた。
にっしーチャッピー、680点取れたんだ!
チャッピーおめでとう!すごいね。次はどうするの?
にっしー毎日ミニテストをやって、キクタンも900に上げる。量を増やせば700点いけると思う。
チャッピー……休息日は作らないの?
にっしー休んだら忘れそうで。毎日続ければ大丈夫だと思ってた。
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TOEIC連続11日間のスコア変動|平均68点の乱高下
実際の11日間の推移。
| 日付 | スコア | 変動 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 11/4 | 670 | – | キクタン900開始 |
| 11/5 | 585 | -85点 | 例文が難しい |
| 11/6 | 600 | +15点 | 少し回復 |
| 11/7 | 645 | +45点 | 調子いい |
| 11/8 | 655 | +10点 | 安定? |
| 11/9 | 600 | -55点 | また下がる |
| 11/10 | 680 | +80点 | 最高記録タイ |
| 11/11 | 580 | -100点 | 大幅下落 |
| 11/12 | 510 | -70点 | さらに下がる |
| 11/13 | 620 | +110点 | 持ち直し |
| 11/14 | 630 | +10点 | 安定 |
| 11/15 | 405 | -225点 | 1時間模試で崩壊 |
平均変動幅:68点
通常の変動幅(キクタン600時代):20〜30点
この11日間:2倍以上の変動
でも当時は気づかなかった。
「毎日やってるから、調子の波があるだけ」
そう思っていた。
11日目。
「久しぶりに1時間模試をやろう」
そう思って、Abceedの1時間模試を開いた。
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TOEIC 1時間模試405点の衝撃|Part3が27%に崩壊
60分後。
採点ボタンを押した。
405点。
「え?」
もう一度見た。
405点。変わらなかった。
前日630点だったのに。
225点、消えた。
内訳を見た。
| Part | 正答率 | 通常 | 差 |
|---|---|---|---|
| Part1 | 75% (3/4) | 80%+ | 普通 |
| Part2 | 46% (6/13) | 70%+ | -24% |
| Part3 | 27% (5/18) | 60%+ | -33% |
| Part4 | 53% (8/15) | 60%+ | -7% |
| Part5 | 46% (7/15) | 65%+ | -19% |
| Part6 | 50% (4/8) | 70%+ | -20% |
| Part7 | 29% (8/27) | 45%+ | -16% |
Part3で27%。
通常60%以上取れるPartで、33%も下がった。
しばらく画面を見ていた。
「何が起きたんだろう」
にっしーチャッピー、Part3が27%だった。いつもは60%以上取れるのに。
チャッピーそれ、英語力の問題じゃないよ。疲労だと思う。
にっしー疲労?でも毎日30分のミニテストだけだよ。
チャッピー疲労は3種類あるんだ。見てみよう。
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TOEIC学習で気づかない3つの疲労
※この分類は私の体験を整理したものです。医学的な診断ではありません。
### ① 認知疲労(キクタン900の難易度)
11/4からキクタン600を900に変えた。
キクタン600の例文(単語:carefully)
「I carefully read the contract.」
(注意深く契約書を読んだ)
単語数:5語
文構造:SVO(超シンプル)
キクタン900の例文(単語:unanimously)
「The board of directors unanimously approved the merger proposal after extensive deliberation.」
(取締役会は広範な審議の後、合併提案を全会一致で承認した)
単語数:12語
文構造:SVO + 時間句(複雑)
難しい単語:4つ(board of directors、merger、proposal、deliberation)
2.4倍の認知負荷(単語数:5語→12語、文構造の複雑さ、難解な専門用語4つを総合した負荷)
毎日通勤時間、これを聞いていた。
「理解できない単語」が増えた。
「疲れる」ようになった。
でも、それが疲労だと気づかなかった。
### ② 判断疲労(毎日の点数追跡)
11日間、毎日ミニテストを解いた。
毎日、点数を見た。
「今日は上がった」
「今日は下がった」
「明日は取り返さないと」
この判断が、疲労を生んでいた。
スコアを追うことが、ストレスになっていた。
それに気づいたのは、405点を取った後だった。
### ③ 集中疲労(休息日ゼロ)
11日間、1日も休まなかった。
「毎日やれば伸びる」
そう思っていた。
でも、脳は休息を必要としていた。
特に「集中力」は、使えば減る。
補充するには、休息が必要だった。
Part3で27%。
これは「集中力の枯渇」だった。
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TOEIC 600点中盤からは「量」じゃなく「質」
振り返ると、見えてくる。
330点から605点までは「量」で伸びた
毎日15分。
休まず続けた。
文法本を2周した。
これで275点上がった。
「量」が正解だった。
でも680点からは違った
「もっと量を」と思って:
- キクタン600→900に変更(量を増やそうとした)
- 毎日ミニテスト(休まず量をこなした)
- 11日連続(量で押し切ろうとした)
結果:405点。
量は、逆効果だった。
必要だったのは「質」
- キクタン600を完璧にする(量を増やすより質を上げる)
- 週5日、2日休息(量より回復の質)
- 1問を深く理解(量より理解の質)
- 週1回の1時間模試(量より集中の質)
にっしーチャッピー、330点から605点は量で伸びたのに、なんで680点からは量じゃダメだったの?
チャッピー300点台は「基礎がゼロ」だから、量が必要だったんだ。でも600点中盤は「基礎がある」から、質を上げないと伸びないんだよ。
にっしー「もっと上を」と思うと、「もっと量を」って考えちゃうんだよね。
チャッピーそれが600点の壁なんだ。量から質への転換が必要な時期。
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TOEIC学習で「休息」を取り入れた結果
405点を取った後、決めた。
変更した3つのこと:
1. 週5日勉強、2日休息
土日は完全に休む。TOEICを開かない。
2. キクタン600に戻す
900は早すぎた。600を完璧にする。
3. 週1回の1時間模試
毎日ミニテストより、週1回の本番形式。
結果:
| 日付 | スコア | 変動 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 11/16 | – | – | 完全休息 |
| 11/17 | – | – | 完全休息 |
| 11/18 | 550 | +145点 | 週5日開始 |
| 11/22 | 620 | +70点 | キクタン600に戻す |
| 11/29 | 680 | +60点 | 回復完了 |
「休息」を取り入れたら、安定した。
変動幅:11/4-11/15(平均68点)→ 11/18以降(平均25点)
量を減らしたのに、結果が良くなった。
これが「質への転換」だった。
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明日から始める:TOEIC学習に休息を組み込む方法
### 今日中にやる3つのこと
- STEP1:カレンダーに「休息日」を2日設定する(土日など固定曜日)
- STEP2:今使ってる教材を「完璧」にするまで変えない決意
- STEP3:週1回の1時間模試をカレンダーに予約(日曜午前など)
💡 3つ全部で10分。「もっと量を」と思う前に、「今の質を」上げましょう。
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状況別:次に読む記事
### あなたの状況に合わせた次の記事
- 毎日やってるのに点数が不安定 → 020_TOEIC点数が下がった時の対処法
- キクタン900に変えるタイミングを知りたい → 045_キクタン900に変えた失敗
- Part3で集中が切れる → 007_Part3が聞けない本当の理由
- 毎日 vs 週末、どっちがいい? → 030_TOEICは毎日と週末どっち
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よくある質問:TOEIC連続学習と休息日について
Q1. 毎日やらないと忘れませんか?
忘れません。むしろ「疲労で集中できない状態」で勉強する方が、効率が悪いです。週5日集中して勉強して、2日休む方が定着します。
Q2. 休息日は完全に何もしないんですか?
完全に休みます。TOEICを開かない、英語を聞かない。脳を完全に休ませることで、次の週の集中力が回復します。
Q3. 600点以下でも休息日は必要ですか?
300点台は「毎日15分」で伸びました。でも600点中盤からは休息日が必要です。自分のスコア変動幅を見て判断してください。変動幅が50点以上なら、休息不足のサインです。
Q4. 1時間模試は週1回で十分ですか?
十分です。むしろ毎日ミニテストより、週1回の1時間模試の方が「本番の集中力」が鍛えられます。
Q5. キクタン600と900、どっちがいいですか?
700点を安定して取れるまではキクタン600です。僕は680点で900に変えて失敗しました。詳細は次の記事(045_キクタン900に変えた失敗)で解説しています。
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## この記事のまとめ
– 680点から「量」を増やした結果、11日目に405点に崩壊
– Part3が27%という異常値は「疲労」のサイン
– 認知疲労、判断疲労、集中疲労の3つが重なった
– 600点中盤からは「量」じゃなく「質」が必要
– 週5日勉強、2日休息で680点に回復
「毎日やれば伸びる」は、300点台では正解でした。
でも600点中盤からは違いました。
量から質への転換。
それが600点の壁を超える鍵でした。
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